学校で当たり前とされていることは何がありますか?
それは、本当に必要なことでしょうか?
学校には人が「社会の中でよりよく生きていけるようにする」目的があります。
しかし、そこで行われている教育活動と実社会との間に乖離が起きてしまっています。
そこで、どのような考え方で学校現場、教育における当たり前を見直していくか。
そのことを、工藤勇一さんの「学校の当たり前をやめた」を通して、この記事では学ぶことができます。
記事の信頼性:元教員で、年に100冊読む「しう」がオススメの本のみを紹介しています。
【目的と手段の観点から見直す】学校の当たり前をやめた①
学校現場で当たり前としていることは多くあります。
しかし、その学校現場での当たり前は本当に必要なことでしょうか?
目的と手段を取り違えてしまうことに気を付ける必要があります。
学校現場で当たり前としている
- 宿題
- 固定担任制
について見ていきましょう!
宿題
どの学校でも授業で宿題を当たり前のように出していると思います。
「しう」も教壇に立っていた時は、宿題を出していました。
しかし、この本では、「当たり前としているその宿題は必要ですか?」
と問いかけています。
学習は「できない」問題を「できる」ようにするプロセスでないと意味がないからです。
そのために、当たり前としている宿題が役立つのであれば必要ですし、生徒が嫌々答えを移すだけなら意味がないと言っています。
このことを学んでから、「しう」は教員時代に宿題の量を減らしました。
その一方で答えの丸写しは点数をつけないというスタイルに変えました。
(生徒には、前もってスタイルの変更を伝えています)
何が正しいかはわかりませんが、試行錯誤は忘れずにしていきたいですね。
固定担任制の廃止
麹町中学校では、固定担任制を廃止して全員担任制にしています。
学校現場で当たり前としている固定担任制では、担任の先生にゆだねる部分が多くなってしまいます。
自分が学生の時に、担任の先生のあたり外れを考えたことはありませんか?
そうすると、子どもたちの間で、勝ち組負け組の意識が生じてしまいます。
また、固定担任制では必要以上に担任のサポートが手厚くなってしまいます。
一方で全員担任制の場合は、教員全員で生徒のサポートにあたることになります。
学校での教員間の連携が重要になってきますが、生徒の間で不公平な感覚をなくすことができます。
他に全員担任制を導入している学校は大阪市立青空小学校などがあります。
不必要に変えるべきではありませんが、制度や仕組みを時代とともに当たり前としていることを見直していけるようにしたいですね。
【手段の目的化】学校の当たり前をやめた②
今までしているからという理由で手段が目的になることはよくあります。
学校で当たり前としている、服装指導でもそのルールは適切かなどですね。
- 学校は何のためにあるのか
について見ていきましょう!
学校は何のためにあるのか
学校は何のためにあるのか。
その目的を再確認して、適切な手段をもちいることが、あらゆる組織で大切です。
例えば、学校に来るということ。
そのこと自体は目的にしかすぎません。
しかし、日本では不登校が悪いことだという風潮があります。
もちろん、学校に来ることで学べることは多いですが、学校に来ることができない生徒への認識を変えていってもいいのではないでしょうか?
そして、学校は、「社会の中でよりよく生きていける」ようになるための場所です。
そのために学校では社会に出てからの大人の学び方と、同じ学び方で子どもが成長できることが望ましいです。
社会人になると、わからないことをネットで検索して、周りの人に方法を聞きながら仕事をしていくことになります。
そのような学び方を学校でも進めていく方がいいのではないでしょうか?
現在では、学校現場でアクティブラーニングと言われていますが、江戸時代の寺子屋ではそのスタイルが主流だったそうです。
実社会で必要なものを、各藩が子どもたちに教育の場で教えていく。
それが、明治時代に西洋の講義式の授業が導入され、変わってしまいました。
その導入期には、就学率が低迷したそうです。
何が重要なのか、常に見直していきたいですね。
【当たり前を徹底的に見直す学校づくり】学校の当たり前をやめた④
当たり前を徹底的に見直すために何が必要でしょうか?
それは、教員や子どもが主体的に動くことができる環境を作ることです。
そのためにどのようなことができるのか。
- 現状の課題を教員とともにリスト化し、解決
- 「責任と権限」がやりがいを生む
について見ていきましょう!
現状の課題を教員とともにリスト化し、解決
踊る大捜査線という映画で、こんなセリフがあります
「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」
踊る大捜査線
このことは学校の教育現場でも、同じ事が言えます。
上から言われたことをするだけでなく、現場で何が問題なのか考えていくということです。
著者の工藤勇一さんは、着任後の夏休みの期間に課題のリスト化をおこなったそうです。
その数は200項目ほど。
教員との共同作業で作っていったそうです。
内容としては、「個人情報が机の上にさらけ出されている」など事務管理的なものも含まれます。
その課題のリストを解決するためには、他の教員を巻き込むことが重要です。
成果を上げるためには、教員自体が主体的に課題を発見し、解決策を考え、取り組んでいくプロセスが不可欠になります。
「やらされ仕事」では解決しないんですね。
人を巻き込む力は、社会人で物事を達成するときに大切なものです。
「責任と権限」がやりがいを生む
人は創意工夫ができるからこそ、やりがいをもって物事に取り組むものです。
人は、裁量権とともに責任とリスクを背負ってこそ質の高い仕事をするものです。
学校現場では、責任と権限を持たせにくい部分もありますが、意識しておきたいですね。
文部科学省や教育委員会から降りてきた目標だけに従って、教師としての仕事をしていくのか。
それとも、自分たちで目標を考えて、仕事をしていくのか。
生徒の主体性を育むことが求められている時代に、何が必要なのか考えていく必要があります。
学習指導要領のあり方にも疑問を持つ必要がありますね。
そして、子どもに対しても、大人がきめ細かに手をかければかけるほど自立できなくなります。
大人たちは今一度、全員が認識する必要があります。
まとめ
いかがでしたか?
今の学校現場に不満をかかえている人や子育て世代の人にとって、参考になればと思います。
何が目標として大切なのかを考える。
その目標を達成するために、他の人を巻き込んで行動する。
そのことを「学校の当たり前をやめた」から学ぶことができます。
今回紹介した内容以外にも、勉強になる話が載っているので、ぜひ参考にしてくださいね。
[kattene]
{
“image”: “https://ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&MarketPlace=JP&ASIN=B0856Z73W3&ServiceVersion=20070822&ID=AsinImage&WS=1&Format=_SL160_&tag=shu0f6-22”,
“title”: “学校の「当たり前」をやめた。 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革”,
“description”: “工藤 勇一(著)”,
“sites”: [
{
“color”: “orange”,
“url”: “https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0856Z73W3/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B0856Z73W3&linkCode=as2&tag=shu0f6-22&linkId=4fb163305f9d5e17f47b2ae9a8bb75fe”,
“label”: “Amazon”,
“main”: “true”
},
{
“color”: “red”,
“url”: “https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/200f6eb3.4921fda5.200f6eb4.8f61912f/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F15688969%2F&link_type=hybrid_url&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJoeWJyaWRfdXJsIiwic2l6ZSI6IjI0MHgyNDAiLCJuYW0iOjEsIm5hbXAiOiJyaWdodCIsImNvbSI6MSwiY29tcCI6ImRvd24iLCJwcmljZSI6MSwiYm9yIjoxLCJjb2wiOjEsImJidG4iOjEsInByb2QiOjAsImFtcCI6ZmFsc2V9”,
“label”: “楽天”
}
]
}
[/kattene]
☟あわせて読みたい 「しう」のオススメブログ
コメント