「孫子」って聞いたことがありますか?
ビルゲイツや孫正義が「孫子」を愛読書にしていることは有名ですよね。
実は「孫子」は孫武が書いたと兵法に関する伝記なんです。
今回は「孫子」をわかりやすく解説している最高の戦略教科書「孫子」をご紹介します。
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百戦百勝は善ならず

「孫子」が書かれた時代は、やり直しの効かない一発勝負の時代なので戦わずに勝つ戦略を重視しています
競争の激しい時代という意味においては、現代のIT業界にきわめて近いです。
そのため、他の国(企業)と戦って、消耗しているとやられてしまうのです。
つまり、必要な戦略は漁夫の利をどうやって得るか考えることです。
「孫子」ではこのように正攻法以外の戦い方(兵法)も真剣に考えています。
敵を味方に引き入れる
敵を倒すより、こちら側に引き入れることを重視しています。
企業でいうならば、M&A(他の企業を買収する戦略)を使って、うまく敵対関係を解消して、シェアを広げなさいということです。
しかし、どうしても戦わなければならない時が出てきます。
その時に、何を比べるかも「孫子」には書かれています。
以下に「孫子」で書かれている7計を載せています。
- 責任者はどちらが戦いの理由を下まで浸透させているか
- 将はどちらが有能であるか
- 天の時と地の利はどちらに有利であるか
- 法令はどちらが徹底し、兵器や兵站はどちらがすぐれているか
- 軍隊はどちらが精強であるか
- 兵卒は、どちらが訓練され、組織されているか
- 賞罰は、どちらが公正に行われているか
どうしても戦わなければならないとき

革命家のトロツキーは次のように言っています。
あなたは戦争に関心がないかもしれないが、戦争はあなたに興味を持っている
トロツキー
つまり、戦いを避けれない時もあるのです。
その状況で「孫子」の中で着目されているのは、勝つ、負けるだけでなく、「負けない」状態があるのではないかという部分です。
負けない(不敗)の状況を作り、勝てる状況で勝つべくして勝つ、これこそが兵法の王道で重要な戦略だと言っています。
※実はプロのトレーダーも同じ戦略です。
どうやって勝つのか以上にどうやったら大きく負けないのかを重視しています。
戦うのなら、短期決戦
もし、戦うのなら短期決戦を推奨しています。
「孫子」では長期決戦を嫌っています。なぜなら、ズルズルと長引くと消耗戦になるからです。
疲れ切った時に他の国から襲われるとひとたまりもありません。
では、短期決戦で収めるために何が必要か。それは情報収集と奇策を使う戦略です。
こちらが、弱いと見せかけておいて、相手を研究して、奇策を用いる戦略で相手の弱点を突く。
そうやって勝ちを積み重ねていくのです。
実は、テニスの試合に出ている先輩の戦い方を観察していたことがあります。
その時に、1ゲーム目でストレートロブを多用して相手を惑わし、ゲームを簡単に取ってしまいました。
そして、2ゲーム目からはセオリー通りにクロスにリターンを返していました。
最初だからこそ、意表を突くことが重要なんですね。
また、注意点としては同じ詐欺に2度騙される人はほとんどいないです。
そのため、同じ奇策は何度も通用しないと思った方がいいでしょう。
勝てる組織と将軍の条件
「孫子」のこの章では、まず愛情をかけることが大切だと書いています。
愛情をかけて、あの人にならついていけると思わせることが、組織統制の優先事項になるのだそうです。
そして、規律による統制を経て、強い危機感を共有する必要があります。
最後に「孫子」にとって、将に必要な5つの条件をまとめておきます。
- 智謀 先を見通し、謀略を駆使できること
- 信義 部下から信頼されること
- 仁義 部下を思いやれること
- 勇気 実行力
- 威厳 部下から恐れられること
どれか一つが足りてなくても、抜きんでていてもよくないそうです。
その場合は、すべての能力をバランスよく整えるか、自分の足りないところが長所の相棒を見つけて、協力すると上手くいくそうです。
いかがでしたか?
今回は最高の戦略教科書「孫子」をご紹介しました。
「孫子」から学んだことを活かせば、仕事では業績が上がり、テニスでも勝率が上がります。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
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